Heated Rivalry、GCシリーズのこと

※原作GCシリーズ全巻読了→ドラマHRの順で履修しています※

※思いついたことを思いつくままに書いてる。GCとHRのネタバレは確実にある。それ以外はいちおうぼかしてる※

※GCシリーズのこと、ドラマHeated Rivalryのことを誰かと話したくてたまらなくて気が狂いそうになっている※

 

 

ドラマHeated Rivalry全話見ました。め~~~ちゃよかった~…!!あまりによいのでサブスク契約中に見倒すぞ、と思って毎晩全6話見てからじゃないとお布団に入れない身体になってしまい…。毎日6時間TV見てるってこと? そうです。頭がおかしい。そうです、頭がおかしいです。でも見るたびになんていいドラマなんだ…って胸いっぱいになってお布団に入ってるおかげで睡眠時間短いのになんかやたら肌艶がいいです。

原作も、GAME CHANGERからLONG GAMEまでシリーズ全巻読破したよー。続刊は2027年発売予定らしいのでいまから待ち遠しいね。単独作品のTHE SHOTS YOU TAKEも読み終えて、TIME TO SHINEは作者曰くクリスマスロマンスものらしいので冬まで寝かせるかな~って思ってるところ。

作者の体調のこともあってゆっくりペースで書くって言ってるけど、続刊がほんとに待ち遠しい。ルカ・ハース(オタワのルーキー)の話も書くってブログに書いてあったし、GC AUめいっぱい長く続いてほしい…泣

ドラマ版Heated Rivalry、さすがにこんだけ世界中で話題になってるので日本配信しない…なんてことはないと淡い希望を抱いているんですけど、でもいつ日本に来るかわかんないのでよかったら原作から…。Rachel Reidの本は英語の現在完了形を押さえていればものすごく読みやすいと思うのでぜひチャレンジしてみてほしいな。

 

 

ドラマ版HR、セリフやシーンの追加もあるので、コンパクトだけどものすごくわかりやすくなってる。イリヤとシェーンの10年にも及ぶ恋と愛と安心の話をぎゅっと6話に凝縮して見せてくれて、ほんとうに構成良かった。

毎話毎話胸がぎゅってなるポイントがあって、私が原作シリーズでいちばんすきなのはCOMMON GOALなんだけども、も~ドラマの力はすごかった。役者って、脚本って、演出ってすごい(小並感)。大事な大事なGCもダイジェスト的に構成してドラマの中にフィットしてるのが最高。

英語は読めるんですけど、とはいえあくまで第二言語なので細かいニュアンスまで汲み取れてなかっただろうところを、役者の身体表現や演出で補助線を引いてもらったおかげで印象が変わった…というか、より深くニュアンスが理解できたというか。や~でもわからん、もしかしたら深読みしすぎてるかも。(いつも深読みしすぎオタクだから)(オタクの生態)

カーターはめちゃカーターだった、陽気でいいやつ♪ グローリアと末永くお幸せにカーター♪

ヘイデンもだいぶすき。シェーンの食事制限のことをBird Food Onlyってジャッキーに伝えるヘイデンのセンスかなりすき。(ふざけたおとこだ)

 

 

原作HRは周りがなにかとライバル扱いされるスター選手2人、けれど実は裏ではこっそり、長いこと関係を持っていて…というのを描いたロマンス色強めのお話、もちろんハピエン!という感想だったんですけど、ドラマ版はもっと周囲の人たち含め、2人のライフステージ、2人がいる環境、内面の変化をよりわかりやすく描いてくれた気がします。

もちろん原作でもお互いの家族のこと、プロアスリートとして生きていくうえでのいろんな制約、レイシズム、ロシアとカナダの対比、などなどシリアスな要素はあるんだけど、やっぱり実在する人間を通して再構築すると、地に足つけた現実味がなお増してくるなあ。

私がもうシリーズ最新刊まで読んで、イリヤ(そしてもちろんシェーン)の内面についてけっこう踏み込んだところまで知ってるから余計イリヤーーーッ!!!!!!シェーーーンッ!!!!!(もだもだじたばた)と地団駄を踏むオタクになってしまった。

いまほんとにGCシリーズについて生きてる人間とお話ししたくてたまらないよ…(生きてる人間って言い方怖)

 

 

ドラマ版HR、見るたびにいろんな発見があって、全話ものすごくいいんですけど、Ep5~6は特に白眉。Ep1からずっと細かく編み上げてきたお話が、とても美しい、そして2人にとって安心できるエンディングに至った。(もちろんふたりの悩みはまだまだ尽きないんだけども)

Ep6、ずっとずっとずーーっと最初から最後までいいんだよ~…。

Ep5のラストでスコット・ハンターがホッケー選手として初めて公に(しかもあんな驚きの流れで)カムアウトして、それをTVで見ていたイリヤがシェーンの夏の誘いに乗った。それが、シェーンにとってどれだけうれしくて、そしてほっとした瞬間だったか。

最初にモントリオールのコンドミニアムにイリヤを招いたシーン、シェーンはイリヤからMr. Businessman、Mr. Landlordってからかわれてめちゃくちゃむっとした表情で「You asked.」っていうの、あれたぶん追加セリフだったと思うのだけど、あれよかったな…。シェーンの中ではそれがずっとひっかかってたんだ、ってわかるから。

ドラマのイリヤはよくシェーンのことをMr. Real Estateなんてからかうんですけど、シェーンがモントリオールに買ったタウンハウスも、突き詰めればイリヤと気兼ねなく会うためだし、このコテージだってシェーンにとって居心地の良い場所=イリヤにとってもきっとそう、そうできる、っていう確信めいたものがシェーンにはあるから誘ったわけで。そうじゃなきゃあのシェーンが、2週間もの2人きりの時間を許せるはずもなくて。

シェーン自身もずっとこの関係がいつか望まない形で白日の下に晒されるんじゃないか、バレるんじゃないかとぴりぴりしてたけど、それよりなにより、自分が、そして自分のコテージがイリヤにとって安心できる場所であるように整えることを最優先してるのがシェーンの一挙手一投足から見えて最高。

「I would like to relax with you, For once.」と、「I didn't buy, I had it built.」

私、Ep6のこのセリフが大好き。シェーンはさ、ずっとイリヤにとって、そしてシェーン自身にとってのセーフスペースを築き上げることにせいいっぱい腐心してるんだよ…。イリヤにコテージ内を案内するときにベルボーイの真似事するのも、ガードが完全に解けたここでやっとシェーンのユーモア(そしてイリヤにboringってすげなくされる)を見られて、なんかうれしいよねえ。

Rachel Reidはよくベッドシーンでexploreって単語使うけど、ほんとにずっと自分自身の安全地帯を探すための10年間だったんだなって。 

だからイリヤがシェーンの両親のコテージで「Your family is here. Your boyfriend is here. // You are okay.」っていうのも、ユナとデイヴィッドが顔見合わせて目配せしあいながら言う「Since their rookie season…」「the summer before」の言い方も、あまりにやさしくて毎回号泣してる。

 

 

《イリヤのこと》

シェーン役Hudsonもいいですけど、個人的にイリヤ役Connorがめちゃくちゃうまいな~って思う。テキサス出身って言ってたのになんでロシア訛りの英語喋れるんだ…?原作でもシェーンはイリヤのロシア訛りにだいぶくらくらきてるのでここはかなり重要ポイントだと思う。(まあシェーンはイリヤのやることなすこと全部に参ってるだろ、というのはおいておいて)

小説でHR読んでたときは原作カバーイラストの印象もあって、不遜で傲慢、なのに余裕もあってハンサムでどうしても憎めないチャーミングなやつ(※完全シェーンの視点)…と思ってたんだけど、コナー演じるイリヤを見て、あ~これが作者も認めるイリヤ実写版…!ってだいぶ感動してしまった。

コナー演じる1話のイリヤが思ってたより幼げで線が細くて(これは実は誤解。出てくるキャスト、みんなみちみち筋肉質)神経質そうで不安そうで、でもやっぱり憎たらしく、もうありとあらゆる形容詞を使うけども、なんかもう、ほんとに全体的にすごいよかった。これはイリヤ・ロザノフだわ。シェーンから見たら愛くるしいいたずらっぽい子犬なんだけど、他人から見たらマジでただの悪魔、っていう。

2話でタキシード着て父親とロシアのガラに出席するシーンは、これもあまりにルックスがよくてめまいがした。プロとして経験を積んで、見た目も英語もどんどん洗練されて行くっていうのをこれでもか!!!!と見せつけてくれるドラマ版HR…。

あとアニメキャラみたいに容赦ない表情芸見せてくれてて最高。Being a*sholeなので。EP6でシェーンの両親に会いに行くとき「車に…やっぱりなんでもない、行こう」って言われる時の目の回し方と眉の動き好き。あまりにもアニメーション的な表情演技すぎる。

 

 

《シェーンのこと》

対するルーキーシーズンのシェーンは、こっちはこっちでもちろん緊張とか武者震いとかはしてるけど、なんだろな、揺らぎがないというか。やるべきことをやる、みたいななんか視野が狭いがゆえにかえって落ち着いている印象? 安定感? イリヤがlazyならシェーンは常にdedicated, talented, fast skaterって形容されてて、あ~めちゃ北米に愛されてる~となる。保護者がすぐそばにいるし基本的にはホームだから、っていうのもあるんでしょうけど。でも、イリヤのやや緊張したような顔を見て、それが移ったみたいにシェーンまで動揺し始めるの、やっぱりこっちもナイーヴなんだな…って。まだ18歳だもんね。

あとさ~ハドソン、すっごいうれしそうに笑うの。隠したいんだけど隠し切れない、笑うべきじゃないってわかってるのに抑えきれない、っていう口角が片方だけくっとあがる不器用な笑顔。すごくかわいい。すごくシェーンっぽい。

そういえば原作者とドラマ版ディレクターのインタビューをささっと流し読みしたら、シェーンは自閉症傾向にある、って話が出てきて。たしかに原作読んでて、ヘイデンがジャッキーが妊娠したんだよね、って話すシーンで「Again?」て言ったとき、こ、こいつ人の心の機微とか~~~!?…と、シェーンってだいぶ変なやつだな…とは思ってたけど、自閉症の傾向があるとまでは思ってなかったので(文章の罠)、ほほーってなってるところある。

2人ともそうだけど、とくにシェーンは見違えるようにどんどん容姿が洗練されてってるんだよな…。

原作でもハンサム、とかhottestとか表現されてるけど、Ep4あたりからぐっと大人びた。ずっとジムに行くみたいな服着てるのもどうかと思って、ってEp5でイリヤに打ち明けてるように、ローズと出会って、初めて打ち明け話をできる友達ができて、肩の荷も(ちょびっとだけでも)下りて、いい意味で自分自身を本当に顧みるようになったんだなあと思えてよかった…ローズ…好きだ…。Ep4でローズとレストランに行くときのシェーン、まじでハンサムなので見てほしい。そんでそのあとEp5のタンパベイのバーのシェーンもめちゃかっこいいので見てほしい。(Ep5のイリヤはご機嫌アロハシャツ着ててずっとにっこにこでかわいい。なんかEp5, 6のイリヤ、めちゃCu属性なんだけど何?)

 

 

《スコットとキップ、GAME CHANGER関連》

さっきも書いたけど、まるまる1話つかってスコットとキップの関係(GAME CHANGER準拠)を描いてくれたのもうれしすぎる。スコットとキップのあの行動がなかったら、シェーンとイリヤもあのエンディングに至れなかったので…。

でも、GC原作だとせいぜい半年ちょいの交際期間がドラマ版だと4年…4年!?!?!? キップはよく耐えたな…修士課程行ったにしてもさ…と彼の辛抱強さと献身に思いを馳せてしまった。(原作だけでもスコットとキップの関係は均衡がやや危うく感じられたので…。ほんとに危ない橋だったと思う)

キップがあれほど賢くて愛情深くて人格者でなかったら、スコットってばマジで搾り取られるだけ搾り取られて捨てられてあげくタブロイドにリークされて…、と思いつく限り最悪の事態になってたでしょう、スコット・ハンター…。(なんかずっとフルネームで呼びたくなっちゃう男じゃない? スコット・ハンターって)

でも、吹っ切れたスコット・ハンターは向かうところ敵なしですからね。欲しいもの何ひとつ諦めず、何もかも手にしような、スコット・ハンター。

GAME CHANERはほんとうにそのタイトル通り、GCシリーズのホッケー界にとってエポックメイキングなお話なので。NYAにスコット・ハンターがいなかったら、スコットがキップに出会っていなかったら、エレーナがスコットに「He deserves sunshine, and so do you.」とひたひたじわじわした圧を掛けなかったら…(キップだいすきエレーナがだいすき)、というほんとうにありとあらゆるピースが積み重なった上にあのエンディング、そしてそこからまたTG、CG、RM、LONG GAMEまでこの世界のキャラクターたちが歩み続けていくのだと思うと…😭

 

 

そういえばドラマHR関連で私が一番おかしくなった瞬間(ドネタバレ)

※※※ドネタバレ※※※

Ep5タンパベイのバーでシェーンがローズとの関係をwe’re not compatible.って言った瞬間からプールサイドのシーンにかけて流れてるBGMのタイトルが“Hollanov”だって知った瞬間。ついさっきサントラ聞きながら気づいたの。制作陣がhollanov強火。最高だ~わあ~い。

以下、AWAで聞けるサントラリンク貼っときます。(Spotifyのほうが公式プレイリストとかもあって便利だけどAWAには恩義があるので…)

"Heated Rivalry (Original Series Soundtrack)" by Peter Peter/Heated Rivalry on AWA https://mf.awa.fm/4lSdvjK

※※※大ネタバレおわり※※※

 

 

めちゃいいのでみんな、ドラマHeated Rivalryを見て、よかったら原作も読もう!!!!! そんであきざわと感想お話しよう!!!!!! まじでGCシリーズの話がしたくてしたくて飢えてるのでよろしくねがいします。

炎の蜃気楼40巻読んだ日記

もしかしたら2021年初のブログ?!

まじかー。 炎の蜃気楼(ミラージュ)、本編を読み終わりました、のご報告です。特に報告せいとだれからも言われてはないんですけど、この一ヶ月強暇さえあれば読んでいたのが一区切りしたので記録しとこ、のきもちです。

 

とても面白かったです。月並みのことばですが、面白かった。言葉なんて塵のようなもの、と直江は言いましたが、そんなことないよぉ……!

途中、あんまりな展開や不穏な引きにここで終わっとこうよ…というきもちとまだまだ読み足りない…というきもちがせめぎ合ったり(山口編とか列濤編とか)、有名なセリフの原典にようやく行き会った感動とか(いろんな意味ですごかったみなぎわ)なんだかいろいろありましたが、無事40巻まで頁を繰ることができました。

 

……みんなもう知ってるだろうけど言っていい?

桑原先生すごくないか?

デビュー作を14年、40巻かけて完結させて、その後もこつこつ淡々とストイックに物語を書き続ける……その姿勢を尊敬する。しかも、デビュー作をいったん完結させた後に過去編も執筆されてますよね? いったん完結した物語にまたあらたな息を吹き込むってすごく怖いことだと思うんだけど、まあ私には想像しかできないけれど、なんというか、書くことから絶対に逃げないひとなんでしょうね。

正直、神鳴あたりはやけに先生の筆が急いてないか? と思うところがあったりしたんですけど、そのスピード感と、要不要をざくざく切り分けたような語り口はかえってこちらの胆をすわらせたといいますか……。

 

40巻まで読み終えて思うのは、遠くまで来たなあという感慨と、見知らぬ土地での心細さに似た心地です。リアルタイムで追ってた方々はなおさらなんじゃないでしょうか。

桑原先生のあとがきもすっきりとした語り口で簡潔に書かれていて、最後は高耶さんにも直江にも、物語に出てきただれもかれもに、なんなら先生にまで置いて行かれるようなさみしさがありましたが、けっきょくのところ、ひとは傷も記憶もさみしさも喜びもなにもかもをきちんと己のものにしたうえで、己の脚を頼りに立って歩かねばならないのですね。

私にはいっしょに歩いてくれる今空海様もおりませんが、見届けたぞー! というその事実と、いま考えていることをちゃんと覚えておきたくて、この記事を書いているのでした。

 

私事ですが、夜明けのシーンで終わる物語がたいへんすきでして。日が昇っていちにちが始まる、日が沈んでまた終わる、それを繰り返して、地上のどこにもきょうとあすを区切る明確なもののない時間の連続性を想起させるからだと思うのですが。

そこに直江がいて、ああこの男は命が尽きるまでの毎日毎秒をひとり歩いて行くのだ、と明白に告げる物語のおわりが潔く、こざっぱりとしていて、最終巻のサブタイトルとも響きあってなんともいえずよかった……。

恋を延命させるための努力がすきだとは常々言っていますが、その極北を見られてよかったです。

作中約5年間の時間の流れの中で、諦めておけば楽だった瞬間なんていくらでもあったのに、互いに一歩も譲らず、間違えては怒り、償い、ふれては傷つき、そうしても互いへの厳しい目をそらさなかったふたりのことは、なんかもう、怖いくらい潔癖だな、と考えていたのですが、そういえば、ずいぶんと早い段階からこのふたりは相手のことをもうひとりの自分だと思っていたのだったと、ついさっき思い出して、そりゃー厳しいわけだ、とちょっと笑いました。ふたりとも自分にいちばん厳しいから……。

 

そのときどきで、すきなふたりの関係性がそこここにありました。

高校生高耶さんを餌付けしようとする初期の直江はいま思い返すとなんとも不恰好でいとおしいし、千秋の運転は嫌だと直江の助手席を選ぶ高耶さんはぶっきらぼうな素直さが年相応にかわいらしいし、信頼しているはずの直江を少しずつ怖いと思い始めてしまう高耶さんも、記憶を取り戻しかけている不安定さから直江を頭から押さえつけてしまう高耶さんのい傲岸さとその反面のいまにも頽れそうな風情とか、距離を隔ててさえ景虎さまのあんまりにも強い光に霞まされそうになる総大将・直江の萎れた様子とか、高耶さんのそばにいるためなら手段をも選ばないブルドーザーみたいな怨讐の直江とか、今空海さまと橘として四国で蜜月を過ごすふたりとか、初期の民俗バディものの雰囲気を彷彿とさせる熊野編とか。

そこから耀変~最終巻までのふたりはものすごく特別なふたりでしたね。いやずっと特別なんだけど、こんどこそ、同じものを見るために、同じものだけを信じ切っていたふたりで。

あげればキリがないけども、それがここに結実するのか、と、ほんとうにほんとうに、途方のないものを、桑原先生はよく書き切ったなって尊敬します。

 

友人が「ミラージュは私の性癖の原典」とことあるごとに言っていて、なんとなくそれがいいなあって思っていたんですよね。私はあまり特定の作品に強い思い入れを持たない(持てない)人間なので、私はここから、と言い切れるのって、なんか憧れがあって。

なので、ミラージュを読み始めてから、時々、感想というか、備忘録的にツイートを残していたのですが、終盤は面白いくらいになにも言えんかった……。読み終わりたくなかったし、でも読み終わりたかったし、そういうせめぎ合いと、残り少なくなるページ数を見ながら直江と高耶さんの結末になんとなく予感めいたものが浮かんでそわそわしてたので頭が回らなかったんですよね(でも嶺次郎が直江に「おんしゃあ何着ても似合うな」って言ったのはたまらんかった。れいじろすき)。

何回でも言うけど、ハイカロリーな読書体験で、も〜〜ほんと〜〜に疲れました。でも楽しかったな。

私に私の今空海さまはいなかったけど、新規の感想を遠目に見守ってくださった先達のみなさま、ありがとうございました。山口編でベコベコにへこんで、この先まだ20巻くらいあるんでしょ!?換生するのか!?やだ!高耶さんの体と直江の体がいい!って混乱していたので、ふふふ、って笑ってもらえてちょっと気が楽になりました。

広島編以降のしょーもないツイートは下のスレッドから読めます。直江への好感度は常にジェットコースターでした。あと、元春さまと成実さまがだいすきです…。

  

時折RTされた先を覗いていたのですがネタバレにはぜんぜん遭遇しなかったな。完結して時間の経った作品だし、わざわざ私のためにそうしてくれたわけじゃないと思うけれど、ありがとうございます。ほんとになーーんにも知らなかったので、最終巻でびっくりしました。嘘やん、ってなりました。先生の後書きまで読んで落ち着きましたが。

それから、どなたかが直江と景虎の人物評総括のためには昭和編まで読んでほしい、とおっしゃっていたので……しばらくぼんやりしたら、過去編もゆっくり読み始めようと思います。

 

 この物語は、これですべて、読み手である皆さんのものになりました。

 これ以上、書き足される一字一句はありません。これにて「完」です。

—『炎の蜃気楼40 千億の夜をこえて (集英社コバルト文庫)』後書きより

 

桑原先生のことばでいちばんすきなの、ここかもしれない。

2.5次元ダンスライブ 「ALIVESTAGE」 Ep1. Let us go singing as far as we go: the road will be less tedious. -歌いながら歩こうよ-を見て四年間が報われた話

 

※注意※
・ネタバレややあり、です。ディレイ配信待ちの方は自己判断でどうぞ。
・俳優さんはじめイブステ制作陣には感謝しかありません。が、これまでの四年間のキャラ解釈について正直な心情の吐露もあります。
・私は桜庭涼太くんファンですがGrowthのみんながすきです。SOARAもすきです。
・感情を文字にして整理するおたくなので、えーいままよ!と公開ボタンを押すつもりで書いております。

 

イブステEp1の全9公演、無事の終演、おつかれさまでした&おめでとうございました。
舞台上にいた皆さん、特に、今回メインのGrowthを演じた4人の俳優さんたちが文字どおりその身を削って駆け抜けてくれたこと、客席にもきちんと伝わっていました。千秋楽を終えたいま、キャストのみなさんに言いたいことは、元気に暮らして、楽しくてやりがいがあって面白いお仕事をこれからもずっとずっと続けてほしい、しあわせになってほしい。ただそれだけです。
俳優さん、ダンサーさん、スタッフさんだけでなく、一緒に通ってくれた友人たち、客席で同じ公演を見て盛り上がってくれた観客のみなさんにも感謝しています。ありがとう。
日に日に精度が上がっていく舞台上と、それを受け止めて声と反応が大きくなっていく客席。二者の相乗効果で、穏やかだけど好きが溢れて、静かな興奮に包まれた会場の雰囲気がだいすきだった。次回以降の公演も、いっぱいいっぱい楽しみましょうね。

原作おたくとしては悔しかった部分もちょびっとはあるのだけど、でも、それ以上に『ステの俳優さん』という、キャラクター、声優さんに続く第三者が登場してくれたおかげで、Growthというユニットのこと、大好きな4人のことを、5年目にしてまた改めて考える機会をもらったことに感謝しています。

さて。なにから書こうかなあ。なにから書いてもぐちゃぐちゃになっちゃう気がします。
いちばんは楽しかった! ……なんですが、うれしかったことも、悔しかったことも、怖かったことも、泣いたことも、この5日間いっぱいありすぎて……。
この5日間で久々に感じた生の舞台の怖さ、楽しさ、興奮、その他、ぐちゃぐちゃにかき乱された感情なんかは、Growthのおたくとしてだけでなく、舞台好き・エンタメ好きとしてもこの先一生忘れません。
「こんなに感情がめちゃくちゃになることってあるのかな!?」って。たぶん、この先もうほとんどないんじゃないかとすら思うので、正直ベースで、なにもかも赤裸々に書きます。 

 

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Thanks for the chance to see you. スケアステージep.1を見て

S.Q.S SolidS & QUELL on STAGE episode 1『はじまりのとき-Thanks for the chance to see you-』が、無事幕を下ろしました。5/26の昼夜、5/27の大千穐楽を現地で観劇してきましたが、千秋楽の挨拶で日向野さんをはじめとするキャストさんが口々に言っていたように、だれひとり怪我なく千秋楽を迎えてくれて良かったです。ステージにかかわったすべての皆さん、全15公演おつかれさまでした。


失礼を承知で、掛け値なしの本音を言っていいですか?
ぶっちゃけ、ビジュアルを見た時点ではこんなにいいと思っていませんでしたし、ここまであーもー好き! ってテンションが上がるとは思っていませんでした。
脚本と構成と、それからキャストのみなさんの研究熱心さに感服しました。すごくすごい。
私が三年間追っていた声だけの彼らが、SolidSQUELLがステージにいた。
原作CDとアニメとステージの時空がぜんぶつながるように、ぶつ切りにされていた隙間を埋めるようにセリフがあってシーンが配置されていて、すごくすごかったです(語彙力)。


6/3にニコニコ生放送でスケステが放送されるようなので、気になった方はぜひご覧ください。プロアニvol.6についてきたシリアルのスケステ最速先行締め切りもまさにその6/3なので、ニコニコでスケステを見て気になったひとはその勢いで最速先行に申し込むといいと思います! はい、宣伝終わり!


以下はいつものようにだらだらと長い、個人的な感想です。
記憶力に自信がないのでニュアンスで書いているところも多々ありますが、ここは私のブログなので好き勝手に書きます。間違っていたらごめんね。例のごとくネタバレありです。

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2017年下半期備忘録

7月

7/2 輝山立のゆるっとーくカフェ第2部 ※橋本真一くんゲスト回
7/2 KUROFUNE 1st ミニアルバム 「FACE 2 FAITH」発売記念イベント
7/9 TVアニメ「ボールルームへようこそ」第1話&第2話 先行上映会
7/15 ORE!!SUMMER
7/16 S.Q.P 2017 SUMMER(スケアパーティー2017サマー)夜
7/17 Prestage Party at 赤坂プリッツ~真夏のオールスター大感謝祭~ 昼夜
7/15~7/17 おれサマー、SQP、PPPに行ってきた日記 - ちとせももとせ
7/27 RENT昼(堂珍嘉邦青野紗穂、平間壮一、紗羅マリー)
7/28 演劇ユニット【爆走おとな小学生】第四回全校集会『勇者セイヤンの物語(真)』

8月

8/1 RENT(堂珍嘉邦青野紗穂、平間壮一、上木彩矢)
8/2~8/6 方南ぐみ企画公演「片想い」全6公演
8/9 方南ぐみ企画公演朗読舞台「逢いたくて」
8/13 A.L.P 2017 SUMMER(アライブパーティー2017サマー)昼夜
9人のALIVEをあきらめたくない日記―A.L.P 2017 SUMMERに参加して - ちとせももとせ
8/16 劇団プレステージ第12回本公演『URA!URA!Booost』初日
8/18 グローリアス!初日
8/23 アニメ「ドリフェス!R」最速先行上映会!!
8/27 劇団プレステージ第12回本公演『URA!URA!Booost』千秋楽

9月

9/1 クリエ プレミア音楽朗読劇『ヴォイサリオンII GHOST CLUB』(梶、諏訪部、竹内、石井)
9/4 同上(春野、紫吹、妃海、朴)
9/13 グローリアス!
9/17~18 ドリフェス!ファンミーティング03 ~D-Fourプロダクション大運動会!!!~@東京
9/29~20 同上@大阪

10月

10/6 生放送アニメ「直感×アルゴリズム♪」ファンイベント「尻友感謝祭」
10/13 人狼TLPTミュージアム上演「FLAG」
10/22 ヨーロッパ企画第36回公演「出てこようとしてるトロンプルイユ」
同日 ゴジゲン第14回公演「くれなずめ」
10/24 第14回東京国際ミュージック・マーケット・ショーケースライブ(14th TIMM)
10/30 レディ・ベス

11月

11/11 沢村千弦バースデーパーティ昼夜
11/12 同上 昼
11/19 BreakOut祭

12月

12/23 TSUKIPRO THE ANIMATION最終話先行上映会
12/25 HANDSOME FILM FESTIVAL 2017
12/26 同上 昼夜

7月8月、夏休みだからってはしゃぎすぎた感がある……(合間にコミケとかも行ってる……)。
横浜ハロウィン(10/21、22)は体力的な問題で干した。ワンハーやったって聞いてまじかよおってなりました。
自分のできる範囲で追いかけよう!と決めた1年だったのですが、引きこもりにしてはたくさんいろんなところに顔を出せたんじゃないかなあと思います。ただ、いかんせん体力にもお財布にも上限があるので、DearDreamメインで追いかけると他のことまで見る余裕はなかったなあって。そこがちょびっとだけ残念です。

10/22(日)ヨーロッパ企画「出てこようとしているトロンプルイユ」、ゴジゲン「くれなずめ」を観た

衆議院選挙の日。台風が日本列島を覆って、だいぶ天気がぐずついた日。
私が下北沢に来る日はいつも傘を持っているなあなんて思いながら、舞台をふたつ見てきました。
びみょ~~~にネタバレありかも。勘の良い方は展開に気づくかも、くらいのネタバレです。

13:00~@本多劇場
ヨーロッパ企画「出てこようとしているトロンプルイユ」
www.europe-kikaku.com

18:00~@駅前劇場
ゴジゲン「くれなずめ」
www.5-jigen.com

どちらもとても良い舞台でした。
作劇としてはまったく別物ですし、観劇後の味わいもそれぞれに異なったのですが良いものはいい。ひとつの作品としてうつくしく完結しているのだけど、そのくせ観ていた側にいろいろと投げかけてくれた気がします。やっぱり作品は作品世界で完結してほしい。心を揺さぶってくる作品はうれしいけれど、観客にアレコレつじつま合わせを考えさせる舞台はあんまり好きじゃありません。手法として玄人っぽく見栄えがいいのはわかるけど。

「出てこようとしているトロンプルイユ」は、後半の畳み掛けがすさまじくて。てんどんに次ぐてんどんに、最初は笑っていたのですが、4、5回目かな。登場人物の一人が「
デジャビュを感じるんだけど…」と言ったあたりですごくゾっとしました。
画家3人組がていうかていうか小うるさい芸術議論をするシーンとか、すごく楽しかったです。
パリへようこそようこそパリへ、のくどい感じが好きですね。
それと、暗転前、セットを見てこれ撤収とか大変そうだなーと思っていたら、途中全部ぽいぽい捨て始めてw えっこれだけの小道具を再セットするの!?って驚いてたら劇中まさかの巻き戻しがあって笑いました。なるほど。そうくるのか。

そして、ヨーロッパ企画さんを見た後の、「くれなずめ」。個人的に、ものすごーーーーーーく好きな芝居でした。
お骨ひろいの話とか、学園祭の話とか、結婚式のあとの所在なさとか、世の中にありふれたことをすこしずつ縒り合せて、そうやってできたなんでもないひとたちのなんでもない人生の話という感じ。
でも、なんでもないひとたちの話だからこそ、身につまされるというか。
いつか死ぬってわかってても全力でばかり走ってられないことを心のどこかで怒っていたり、でも言い訳してたり。
いつか会えなくなるってわかってるのに、次を期待してしまって、いますぐ会いに行こうという心を決められなかったり。
長いものに巻かれたいきもちと、いや自分は『何者』かになれるんだって高楊枝くわえてやせ我慢してるきもちとか。
完全に理解したとは言わないけど、部分部分身に覚えがあるからこそ、ああああーーーつら!しんど!ってなりながら、心を引っかかれながら見ていました。途中ちょっと涙ぐんでしまった。
見に行ってよかったなあと思います。
タイトルのセンスもすさまじいなあと。それこそ「たそがれ時」とか「くれなずむ」でもいいのに、「くれなずめ」。私にもこういうセンスが欲しい。

「くれなずめ」のアフタートークヨーロッパ企画の上田さんがいらしていて色々とお話伺えたのもよかったです。ふたつの舞台の類似点とか、ゴジゲン主宰の松居さんのこだわりとか、おふたりの出会いとか。

なんのこっちゃという感想ですが、以上!

8/2~8/6 舞台「片想い」の感想---いまさら言う。

※これはメモ帳に仕舞い込んでいた8月の舞台「片想い」感想を勇気を出して記事にしたものです。


 たかだか6公演で全通って言うな!なんて野暮は言わないでくださいね。(第一声がこれです)
 8月6日、方南ぐみ企画公演「片想い」全6公演が無事に幕を下ろしました。出演者・スタッフのみなさま、劇場へ足を運んだ客席のみなさん、5日間お疲れさまでした。
 2公演目とそれから千穐楽公演のご挨拶で津田さんがおっしゃったように、戦争から焼け残った劇場で戦争から焼け残った動物園の話を演じること、そして、今回たまたま8月6日が日曜日に重なったからかとは思いますが、原爆の日に戦争もののお芝居を演じること、いろいろと考えざるを得ない舞台でした。
 "あの日の空は青かった"と、当時を生きた誰もが言います。久世光彦も、彼のエッセイの中でその話をしていますね*1。戦争を描いた映画は多く製作されていますが、その中でも終戦の日、特に玉音放送のシーンでは雲一つない青空がスクリーンに映ることが多いですよね。岡森さん演じる園長の「たいへん、気持ちのいい日です」というセリフは作中の焦点をぐっとその一点に引きつけるいいセリフだなあと思いました。私もあんなセリフ書いてみたい。

 また、私事ではありますが、この舞台「片想い」、私が今現在応援しているアミューズ所属の俳優・正木郁くんの初舞台でして…もう正直、けっこうメンタルがぐちゃぐちゃになってました。
 応援している役者さんなんだからだいじょうぶ!と思う私と、いやいやいやでもいままで俳優としての彼は見たことないでしょ、好みじゃないお芝居をするひとだったらどうする?っていう私が喧嘩してましたから。スケジューリングの問題なんかもあって、初日を迎えるまで不安要素の積み上げもすごくって!!!!!*2
 でも、推しの人生初舞台なんて遭遇できるチャンスもないだろうと、舞台「片想い」に合わせて夏季休暇を取り、全通しました。
 行ってよかったです。めちゃめちゃよかったです。

 私はチヅから郁くんを知った人間です。
 チヅって特徴的なキャラクターなのですごく演じやすいと思うんです。オーバーに演じれば演じるほど二次元っぽさ、作り物っぽさが出てくるし、彼のキャラクターは二次元だからこそ許される部分がたくさんある。だからこそ、新人さんだった郁くんがチヅを演じるのって比較的楽(言葉が悪いですが)だったんじゃないかなと思います。
 上でも言ったように、郁くんの素顔なんて全く知らないし、一介のファンはそんなの知る必要はないと思うんです。だから、私が知る彼はいつもにこにこと笑っていて、自分を下げる、と言えばいいんでしょうか、やられ役と言うんでしょうか、ちょっとピエロっぽく振舞うこともあって。そういう、DearDreamの一員として演出して私たちに見せてくれる素顔を割り切って楽しんでいるつもりなんです。私個人の感覚は。まあそんななので、それ以外の郁くんの振り幅を知らないわけです。見せてもらってないから。見せてほしいわけじゃないです。そこは勘違いされたくないので言っておきます。私はただのファンであり突き詰めると自分勝手な消費者なので自分のこと以外に責任は持てないです。そんなの怖い。
 話を戻すと、そんな風に、この舞台が始まるまでは「郁くんの演技がもし私の好みじゃなかったらどうしよう…顔ファン? 姿勢ファン? どう名乗ればいいんだろう…、ていうかそれ6公演も見るのつらいよね、どうしよう」というすげーむちゃくちゃな心配をしていたわけです。自己中心的で最低すぎるね。まあ前日なんかはもし下手だったら下手だったなりに公演ごとの成長を見よう、そこで役者としての素質が多少なり見つけられるよ…と自分を落ち着かせていたんですけど。結局最低。

 さて、郁くんの話をしてもいいですか。勝手にしますね。これまでも郁くんの話だったけど、郁くんの話をします。
 この6公演、毎回友人知人を連れて行って隣で見てもらったんですが、ドリフェス!をよく知らない人からはだいたい第一声「郁くんのこと、出てきた瞬間すぐには見つけられなかった! 探しちゃった!」って。ひゃーーーーーありがとう!!!!!(?) いや意味わかんないよ、なんでありがとうなんだよって感じですけど、すぐに見つけられなかった=溶け込んでた、なじんでた、と良い方に解釈してもよくない? いいよ! ありがとう!
 今回舞台上ではシズオを演じた郁くん。チヅじゃない郁くん、郁くんじゃない郁くんがそこにいました。それってつまり俳優・正木郁。
 舞台の写真レポがアミュモバさんに載っているので、もうご覧になった方も多いと思うのですが…いつもとぜんっぜん違うんですよ! チヅのちんまり華奢な少年体型な印象に引っ張られてか、かわいらしい印象が強めですが、郁くん、なんだかんだ背も高いし結構体格はがっしりしてるんですよね。間近で見るたび「うわ!?」てなる。だからこそ、今回戦時中という時代背景に合わせたざっくり・質素な衣装だとより目を欺かれるというか。最近の若手俳優さん、すらりと細い方が多いので、肩幅がっしり脚もしっかり骨格がしっかりしてるなーっていう郁くんにやたらと目が行ってしまった。えっやっぱ大きいな!?とすらw
 シズオは基本へらへらしていて、お調子者で、受けもしないダジャレを延々言っているような人物。このシズオが、森本先生に「私、あなたが苦手なんです」、って言われてからの一連のシーンがとても好きです。一瞬あてがきかな?と思うせりふを森本先生に言われるので、そこでどきっとしたのですが、前回公演でも同様の会話はあったよと教えてもらったので生きながらえた。そこから岡森さん演ずる園長、森本先生、郁くんの三人芝居があって。「園長、」って言うところが静男(対人用)から静男(素)に戻る瞬間のお芝居だと思うんですが、この声が全然違う。これまで観客が見てきたシズオではないし、郁くんの声でもなくて、私はここがいちばん好きだった。ここでいちばん驚いた、演技うまいなって思った。
 声。うん。声が好きなんです。郁くんの。ちょっとひび割れたような、尖った風情があるけど、本人が意識すればどこまででもソフトに響くし。ひとりラジオの語りかける口調とか、たまにツイッターにあげてくれる動画とかが顕著ですね。声だけで、どんな表情してるか想像させてくれる楽しみがある。
 あとは、このシーンでは基本的に客席に背中を向けて芝居をしているのだけど、背中で演技ができるんだな、上手だなって。上手端にいた日はすこしだけお顔が見えて、もちろんそのときはガン見したけど。郁くん、とてもいい表情をするなあって。決まり悪そうな顔。そのあとで、自分の話なので自分が、という時の顔はやさしげで、園長がガンガン話進めるところはまた違った風に困惑顔。
 うれしいことだらけでした。

 郁くんって別に私好みのお顔でもないし(…)、この舞台が始まるまで芝居もちゃんと見せてもらったことがなかったし、じゃあなんでこうも見ていたくなるのかなって公演期間中にずっと考えていて、まあひとつ答えが出たかなって。
 なんかね、見ていたら幸せにしてくれそうな気がする。ていうか、なれる。
 カーテンコールで晴々したお顔を見せてもらったこととか、だれよりも大きな声で「ありがとうございました!」って言うところとか、ライトを受けて目がきらきら光ることとか、あとは、遡って2016ハンサムの千秋楽挨拶とか。
 ことあるごとに冗談めかしては未来のために投資したい、って友人に零していたけど、このさき彼がライトを受ける立ち姿をまた見られるのなら、やっぱりその未来のために投資させてくださいって言うよ。それが楽しい。
 もちろん私が彼のために使えるお金には限度があるし、大した金額ではないし、自分勝手なのでいつまでだって投資できる自信がないのであまり大きなことは言えないのですが、すくなくとも俳優・正木郁を見たがってる人間が今この瞬間ここにいるんだよという、そういう意思表示はしたいよね。朗読劇「逢いたくて…」はチケットを郁くん名義で買えたので、それもほんとにほんとにうれしかった。

 なにが言いたかったかわかんないけど、推しの初舞台を見届けられてよかったです、という話でした。
 さいごに、最近、郁くんを見ていたら思い出してしまう短歌があるのでご紹介を。

夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう
                          ---穂村弘

 夢の中で光ってくれるだけでじゅうぶんじゃないですか。

*1:余談ですが久世光彦は戦時中、富山で疎開生活を過ごしたそうです。私も富山出身なので親近感が…♡

*2:おれサマーとか上海とか、個別に見ればとてもいい経験だったと思いますが、8/1の緊急生放送に関してはきっとこれからも思い出してはぐちぐち言う