2.5次元ダンスライブ 「ALIVESTAGE」 Ep1. Let us go singing as far as we go: the road will be less tedious. -歌いながら歩こうよ-を見て四年間が報われた話

 

※注意※
・ネタバレややあり、です。ディレイ配信待ちの方は自己判断でどうぞ。
・俳優さんはじめイブステ制作陣には感謝しかありません。が、これまでの四年間のキャラ解釈について正直な心情の吐露もあります。
・私は桜庭涼太くんファンですがGrowthのみんながすきです。SOARAもすきです。
・感情を文字にして整理するおたくなので、えーいままよ!と公開ボタンを押すつもりで書いております。

 

イブステEp1の全9公演、無事の終演、おつかれさまでした&おめでとうございました。
舞台上にいた皆さん、特に、今回メインのGrowthを演じた4人の俳優さんたちが文字どおりその身を削って駆け抜けてくれたこと、客席にもきちんと伝わっていました。千秋楽を終えたいま、キャストのみなさんに言いたいことは、元気に暮らして、楽しくてやりがいがあって面白いお仕事をこれからもずっとずっと続けてほしい、しあわせになってほしい。ただそれだけです。
俳優さん、ダンサーさん、スタッフさんだけでなく、一緒に通ってくれた友人たち、客席で同じ公演を見て盛り上がってくれた観客のみなさんにも感謝しています。ありがとう。
日に日に精度が上がっていく舞台上と、それを受け止めて声と反応が大きくなっていく客席。二者の相乗効果で、穏やかだけど好きが溢れて、静かな興奮に包まれた会場の雰囲気がだいすきだった。次回以降の公演も、いっぱいいっぱい楽しみましょうね。

原作おたくとしては悔しかった部分もちょびっとはあるのだけど、でも、それ以上に『ステの俳優さん』という、キャラクター、声優さんに続く第三者が登場してくれたおかげで、Growthというユニットのこと、大好きな4人のことを、5年目にしてまた改めて考える機会をもらったことに感謝しています。

さて。なにから書こうかなあ。なにから書いてもぐちゃぐちゃになっちゃう気がします。
いちばんは楽しかった! ……なんですが、うれしかったことも、悔しかったことも、怖かったことも、泣いたことも、この5日間いっぱいありすぎて……。
この5日間で久々に感じた生の舞台の怖さ、楽しさ、興奮、その他、ぐちゃぐちゃにかき乱された感情なんかは、Growthのおたくとしてだけでなく、舞台好き・エンタメ好きとしてもこの先一生忘れません。
「こんなに感情がめちゃくちゃになることってあるのかな!?」って。たぶん、この先もうほとんどないんじゃないかとすら思うので、正直ベースで、なにもかも赤裸々に書きます。 

 

 

1stからの原作おたくなので、正直なところ、ツキステ。、スケステを履修し、前述2作品を楽しませてもらっていてさえ、本命のユニットが2.5次元化することは怖かったです。
スケステ開始時ですら3年間の積み重ねがあったけど、ALIVEに至っては4年もの間、ドラマと楽曲(とSSとアニメとパラ……)でがっちがちにキャラクターやら関係性やらの解釈を、自分なりにかためてきたわけで。
だから初日は退勤時に同僚に心配されるくらい青い顔をして劇場に向かったし、座席についてからも泣きたいくらい緊張して手がずっと震えていたのですが……結果として、公演期間を終えて最後に残った感情が、楽しかった、うれしかった、面白かった、しあわせだった、っていうポジティブな感情ばかりなのでほっとしてもいます。
毎公演、ラストMC前の『ルクレシア』のイントロがかかるたび、ああ、もう終わっちゃう……って思った。チケットの残りを数えながら、まだ終わらないで、ってちょっとだけ思ってた。

しっかし、おたく人生はそこそこ長くなってきたけれど、こんなに体力を振り絞った濃い5日間は久々だったな……。
初日は原作おたくの私が原作の四人に叶えてもらえなかったこと*1をまさかのステで見せられたことと、想像よりずっとずっと俳優さん方がすばらしかったことによる悔しさとうれしさが半々。
3日目は、折り返しにたどり着いて、キャストさんがみんな晴れ晴れした顔をしていたし、芝居もMCも詰まらずに完璧な流れが見られて、ただただ明るく、晴れやかなきもち。
4日目は昼公演がびっくりするぐらいボロボロで、特に衛さん役の岩佐さんがふらっふらで……。この人このまま倒れたりしないかな?!って恐怖でせめても、とマチソワ間に豊川稲荷にお参りしました。そしたら、夜公演はマチネがうそか幻だったかのようなパーフェクトさで、このすばらしい回をわざわざこのために遠征してきた友だちに見てもらえたことがうれしくって(夜公演の後、合流してから思わず抱き合っちゃった)。
5日目は前楽だけ入ったのですが、ここまで来られたなあ、って誇らしいような、満足感のような。プラス、これまでずっと楽しい時間をもらえたことに対して、ただただ感謝のきもちでいっぱいでした。
順位をつけるなら5/16夜公演がいちばんアツかったけど、いちばん、純粋に楽しかったのは前楽(My楽)だなあ。

ここに列記しなかった2日目は、感情の振れ幅の大きさで窒息しそうだったんですけど……笑

 2日目夜公演を終えてからこんなツイートもしたのですが……。このツイートのとおり、5/16夜公演は、まさか千秋楽か!?というような熱量がびりびりと伝わってきて。
しかもこの公演から芝居パートでも演出の変更個所*2があったので、『パラレル・リネージュ』の前の衛藤昂輝くん(塩澤さん)の一言*3も相まって、私たちはいまループしているのでは? 正解の千穐楽公演に近づいているのでは? みたいな、完全に毒されたおたく独特の思考で震えたりしたのですが……。そしてそこにあの三谷さんのカテコご挨拶。……正直、ありがたいと同時に、とても悔しかったです。

桜庭涼太くん(演・三谷玲央さん)に成仏させられた

5/16夜公演のカテコで、三谷さんが私の大好きな桜庭涼太くんと藤村衛さんの関係性についてお話してくれました。
動揺しすぎてうろ覚えなのですが、公演後のメモを頼りにおおよそのことを書くと、『衛が彼の過去を一番大事にしてるんだなあって思って。そしてそれが、きっと涼太くんにも重なるところなんかもあって。衛がひとりで抱え込めないことは、Growthみんなで支えてあげるんだろうなって思いました』。そして、『桜庭涼太くんは泣かないから、俺がね』って、三谷さんが泣いて。
私、まさか三谷さんが泣くとは思っていませんでした。いつも涼しい顔をしていたし、あんまり群れないタイプなのかな、と勝手に想像していたので。
それが、『桜庭涼太くんは泣かないから』って……。本編でも泣いてないのに、私、ダンスライブが終わってから号泣しちゃった。あまりに理想を体現してくれていて……解釈一致かよ……勘弁して……ありがとうね……って。
三谷怜央さん、ステの桜庭涼太になってくれてありがとう。ステのGrowthの一員になってくれてありがとう。
しゃべり方も佇まいも間の取り方も、なにもかも私の理想でした。

まずね、そもそもね、私は桜庭涼太くんがだいすきで仕方がないので。けれど、そのひいき目を抜きにしたって三谷さん演じる彼がただそこに立っているだけでうつくしくて、まぶしくて、かっこよくて、強そうで、やさしそうで、なのにどこかはかなくもあって。推しがそこに佇んでいるだけで泣くって、みんな経験ある? 私は初めてだった。推しってすごい。
特に本編ラストの『one day…』最下手に立ち軽く上を見上げながら手を差し出すシーン。あそこ、個々のメンバーにやわらかめのスポットが当たっているのが、まるで天使の梯子が射しているようで、もう宗教画じゃん、って。
だいすきなひとが、だいすきなひとのだいすきなひとたちがきれいすぎて。それで泣いちゃった。
あーでもなんかめちゃくちゃに悔しいな……。なにが悔しいかはまた書くけど、すっごい、お門違いもいいとこだけど三谷さんに嫉妬したよね……。私はいったい何様なんだって感じで笑えてくるのだけど、ただただもう、悔しくって……。

“僕は、ダンスをずっとやっていますが、涼太はバレエをやっていたので、ダンスライブでは普通にダンスをするのとは違う見え方がありますし、姿勢は絶対に気を付けないといけないなと思いました。
なので、涼太役に決まったその日から、壁にもたれて直立して30分くらい姿勢を正して、背骨がまっすぐになるようにトレーニングしたり、バレエをやっている人はどう動いているのか研究したり。今回の台本を頂く前からいろいろ勉強しました。”
Growthのメンバーはそれぞれ芯が強いのですが、涼太は芯が「太い」タイプなんですよ。決して曲げられないプライドがあって、唯一、そのプライドを捨てられる場所、誰かに頼れる場所がGrowthだけ。だから涼太にとって、Growthはとても大切な居場所なんだなと感じました。”
『イブステ』より塩澤英真・石川翔らの公式キャストコメント到着 | アニメイトタイムズ

3日目、5/17夜公演後に配信されたこの記事にもあるし、千秋楽翌日5/20にオフィシャルアカウントで配信していたインスタライブでもお話してくれたけれど……。
いやほんとなに……? 私の考えてきた涼太くんと解釈一致すぎて、どうしてこのひとはこんなに桜庭涼太然として板の上に立てたのだろう、なんでここまで私が見せてほしかった涼太くんとしてこの場に存在してくれるのだろう、衛さんのことを、Growthのことを大切にしてくれるのだろう、って。
4年ですよ、4年。1stからずっと追ってるおたくなのに、言い方は悪いけれど、いきなり現れた三谷さんにものすごいスピードで追い抜かされた感じ。……違うな、追い抜かされたんじゃなくて、そもそも立ち位置が違うんだけど。私が永遠に追いつけない・知ることのできない涼太くんに、このひとはものすごい努力とスピードで追いついてくれて、そっと顔をのぞき込んで、「どう?」って対話すらできるところにいて、これからもきっと寄り添ってくれるんだなって感じた……というほうが近い……のかな。
こんなすてきな役者さんが涼太くんの隣にいてくれるの、うれしいです。めちゃくちゃラッキーだな、奇跡だなって思う。うれしい。ことばにできないくらい。
でも、同時にほんとうに悔しい。三谷さんに、めちゃくちゃ嫉妬している。
私、夢女とかではないです。ただのファンです。なのでこれは言語化をあきらめるしかない感情なのだけれど、でもやっぱり言葉にすると、ほんっとうに悔しい……! のひとことに尽きるんですよね。まじでどんな立ち位置のおたくのつもりなんだ。ただのファンです。

桜庭涼太くんのことがだいすきです。
1stからずっと、涼太くんと衛さんの関係を信じていて、夢見ていて、だいすきなんです。
衛さんの「ファン」で「いちばんの理解者」で、そして、そんな大好きな(本人には言わないけど、憧れたり、神聖視してる部分もきっとある)ひとと、これまた無二の友人である衛藤昂輝くん、八重樫剣介くんとともに結成したGrowthの、メンバーでありいちばんのファンでもある涼太くんが、ほんとうにだいすきなんです。
涼太くん、ちょっと言葉の選び方がキツいがためにどうしても誤解されやすいし、毒舌ドSキャラとして描かれることが多くなってしまうのですけど、私はそんな彼が原作1stシリーズで見せた衛さんへの慈愛、いつくしみ、やさしさ、気遣い、あたたかさ、そのほかの感情すべてがいとおしくて、だいすきで。そんな愛情深い涼太くんと、あまり素直になれない彼を受け入れて赦しあっているGrowthを信じて、追い続けてここまでやってきたおたくなので。だから、その涼太くんを演じてくれる三谷さんが衛さんについて言及してくれて、Growthはみんなで支え合うので、って言ってくれて。それがうれしくないおたく、いる!? いないでしょ!?
ここまで信じてきて、好きを貫いてきてよかったと心から思った。ちょーーーーーー悔しいけど!!!!!!!原作!!!!!!なんで君にはそれができないんだ!!!!!!!

三谷さんのご挨拶だけでなく、今回のお芝居パートもそう。
涼太くんは一貫して衛さんを心配していて、Growthを守るために、一見迂闊にも見える行動をとろうとした衛さんと、彼の弱みに付け込もうとした長岡さん・門脇さんに対して怒っている。これは、涼太くんの芯の部分だな、って。
守ろうとしている相手の前ではつい悪態というか、小言っぽくなっちゃうんだけど、でも、昂輝くん・剣介くんとの3人で衛さんについて話しているシーンのセリフをちょっと思い出してほしい。
『有名になるといろんなひと、ものが集まってくる。俺たちはジュニアもやっていたから慣れているけど、衛はそうじゃない』
『(衛さんも昂輝くんも浮世離れしている、と言われてすこし考え込む昂輝くんに対して)自覚はしなくていいし、そのままでいい。そのままでいてほしい。それは、コウと衛がやさしいって言うことだから』
……いや、これ、愛じゃん……?
繰り返しになるけれど、私は4年間ずーっと涼太くんが世界でいちばんGrowthを愛していて、藤村衛という人間を音楽と彼の世界ごと愛していて、ファンで、彼の理解者で、って言ってたの。それが、この一貫した行動でようやく報われたと思った。
最近の涼太くんは、ちょっと衛さんに対するあたりがきつかった。でも、それを周囲も「甘えてるんだね」で済ませている節があって、私はそんな涼太くんのことを、ほんのすこしだけ、ちょっと……うーん、あんまり……よくないんじゃないかな……、って受け入れがたく見ていた。
すこしずつ変化していくのは仕方のないこと。だって、高校3年生だった男の子が大学4年生にまでなったんだもの。けれど、私は1st1巻で「衛も歌ったら?」って勧誘するシーンとか、4巻の個人面談シーンで衛さんとお話しするときに出てくる愛情深いところを彼の本質だとずっと信じて、そんな彼に固執していて。そうやって1stの亡霊に成り果てていたところの私が、今回のステの脚本と、三谷怜央さんの圧倒的な光の演技に照らされて成仏した気がする。もう思い残すことはないです(けっこう、ガチ)。

脚本、演技から私なりに解釈したキャラクターのこと

涼太くんだけじゃないね。ツキパラ。とプロアニ。が始まってからのこの2年間は、Growthも、他のユニットの子たちも、みんなキャラクターのわかりやすいところだけを切り取られて、そこをずーっと拡大解釈され続けていた。仕方ないことだってわかってる。わかってるけど、ここ2年間くらいはほんとうにしんどかった。
1stが終わって、2年目、3年目と展開が広がるにつれて、私はすこしずつ変化していく涼太くんの、Growthの、いまは見えないけど、いつかまたきっと、っていう思い出というか、過去というか、かすかな期待、みたいなものに一縷の希望をかけて、みっともなく縋ってどうにか追いかけていたから。
……けど、ほんと、諦めないでよかったな。好きでいてよかったな。5年目に入って、まだこんなに好きって言える。それが、うれしい。
衛さんも昂輝くんも剣介くんも、みんな私のだいすきな彼らだったり、私が知りたいなって願っていた彼らの姿で登場してくれた。夢かと思ったよ、正直。

衛さん

衛さんが、親戚の件がうそであることに最初から気づいていること。一見ふわふわして見えるからわかりにくいけれど、彼はとても聡明なひとで、孤独(と言ったら悲しすぎるけれど)、彼が育った環境、抱えて消化してきたさみしさの当然の結果として、ちゃんと人を見る目が養われていることが描かれていてよかったな。
いじめられたことがない、というのも、「長岡くんはきらきらしてて」というセリフがあったように、きっと衛さんは異質なものを排除したがる学生集団のなかで、いかに目立たずに済むか、周囲に馴染めるか努力していたんだろうな、って思わされた。
衛さんは自分のことを「巡り合わせがいいだけ」って言うけど、彼の運が特別いいわけではないし、運、なんて不確定な言葉にしたくない。
彼が彼なりに人を見て、その人のことをきちんと判断して、みんなの輪の中に入っていけるように、ってちょっと切ない方向の努力をして。そうやって生きてきた結果が彼の現在だと私は思っていたので。
彼の現在は彼の努力の結果だから「歌手です。作曲家、兼アーティストです」ってちょっとだけ誇らしそうに名乗ってくれることがうれしい。
それからね、衛さんがお金を貸すってひとりで決めたこと。これだって、衛さんには衛さんなりの理由があると私は考えていて。劇中でも言っていた通り、『やりたいことをやれないのはつらい』し、それに、昂輝くんに助けられた過去が衛さん本人にもあるから。昂輝くんが衛さんを助けたのは、昂輝くん本人の利益のためというのと、ノブレスオブリージュの両方の側面があるんじゃないかな、と考えていて。もともとの衛さんのやさしさもあるだろうけど、昂輝くんたちと4年間過ごして、彼らの行動から受ける影響がないとは思えないから。騙されたら騙されたで「俺の見る目がなかったなあ」って言いそうだよね、藤村衛さん。そりゃ涼太くんはじめ、メンバーも過保護になるよ。

昂輝くん

ステの衛藤昂輝くん、歩く道徳心か!ってずっと思ってた。『いい子ちゃん』であることが彼の悩みだけれど、でも、それはいまとなっては彼の美徳であり、良さだよ。
昂輝くんが、衛さんに「衛の持っているお金は、確かに衛の労働の対価だ。けれど同時に、ファンのひとたちが俺たちの楽曲のために使ってくれたあたたかいお金だ。そういうお金は、ちゃんとしたひとに、ちゃんとした目的のために渡って欲しい」って諭すところ。私はこのセリフで昂輝くんが正しい金銭感覚を持っていることを確認して、同時に、彼がちゃんとファンのほうを見てることを知れて安心した。
昂輝くんって、自分にはクリエイティビティがないと思ってる子なんです。そんな彼が芸能界にいる理由って、インフォや二次元ドル誌では『新しく生み出されるものにたくさんふれられるから』というふうに語られていて、だから、いつか満足したらあっさり芸能界を去りそうな子だなあと思っていた。でも、上のセリフを聞いて、あ、昂輝くんって、私たちにちゃんと執着してくれてるんだ……ファンのほうをちゃんと見てくれてるんだ……、ってふるえた。同時に、これは誤解されるな……って、須貝誠のきもちも理解できちゃって。だってさあ……ずるいよね……、でもすきだよ、昂輝くん……。このセリフがあったから、続くダンスライブパートで「浮気しないでくださいね」とか、「ずっと一緒にいてください」と言われて、こんなにうれしいことってないなって感じられた。改めて、彼はものすごく真摯な人間なんだと思わせてもらった。ありがとう。

剣介くん

八重樫剣介くんだってそう。剣介くんはいつもGrowth4人のバランスを取ってくれる。Growthって頭脳派に見えて案外勢いだけで突き進めちゃうところがあるから(それはそれだけの実力があるから、でもあるのだけれど)、剣介くんが「あれは?これは?それでいいの?」って、毎回ひと呼吸入れさせてくれる。そのおかげで、Growthはいつも正解を選べてるんだなって思った。
バランサーとしての剣介くんがいてくれてよかった、って劇中でも、原作ドラマでも何回も思った。
バランサーだけでなく、剣介くんって懐がとっても広いから、今回は頼れるクッション役でもあって。涼太くんが涼太くん自身で好きになれない部分も、昂輝くんがめずらしく怒りを口にするところも、それでいいんだよ、っていう悪戯っぽい顔で受け入れてくれる、肯定してくれる。
衛さんに対してもそう。セリフの端々から、剣介くんがいつも衛さんの味方をしてくれることが窺えた。それは日常のささやかな光景ではあるだろうけれど、その『いつも』の積み重ねが、どれだけ彼の安心につながっていることか。想像するだけで胸がきゅってなる。かっこいいね、剣介くん。

ダンスのこと、セットリストのこと

セリフからの解釈多目だったからどうしても芝居パートの話、演技の話を多めにしちゃうのだけど、今回のダンスライブパートもね、やっと芸能人の君たちに会えたね、ってきもちで見ていました。
ツキプロっていちおう芸能ジャンルではあるけど、彼らが実際にステージに立つところってごく限られた場所でしか見られなかったんですよね。……後続に関しては、プロアニくらい、かな……?
だから、彼らがどんな表情で踊るのかな、とか、どんなMCをするのかな、ってちょっと怖かった。

冒頭、音楽番組の公開収録シーンで2曲のミニライブがありました。アニメのOPでもあった『魔法のキズナ』はわくわく見ていたのだけど、2曲目が前述のとおりだいすきなだいすきな『不死鳥のネビュラ』で魂が抜けるかと思ったし、何回でも言うけど、すっげーーーーー悔しかった!!! でも、文句のつけようがないくらいにかっこよかったんですよね……。4人でこんなふうに踊るんだ、って初めて見たから。
それ以降のダンスライブパートも、振り付け担当の貢二郎さん、池口さん、ありがとう……って思えるものばかりで。もちろんGrowthキャスト陣のがんばりもあって、ずっと見たかったもの、ずっと知りたかった姿を見られた。
4人がシンクロして踊るフリもあるけれど、それより、『自由の鳥』のラストや『魔法のキズナ』の時計の針ダンスに見られるような、4人ですこしずつずれながら大きなものを形作るようなフリがとっても印象的で。
お友だちに教えてもらったんですけど、複数人で少しずつ時間差のフリをしていくことを"カノン"って言うんですってね。その、カノン、という技?テクニック?が音ハメ、拍ズレで多用されていて、それがいかにも変拍子多用、上ハモ下ハモサブハモ多用のGrowthらしくって、あーGrowthだわー……って(語彙力がない)。
振付の貢二郎さん、池口さん、重ねてお礼を言います。ほんとうに、すてきなすてきな振り付けをありがとうございました。特に各ソロ曲と『自由の鳥』『ルクレシア』が……ほんとうによかったです。
ソロはそれぞれのキャラの雰囲気にあったフリ、佇まい、バックダンサーさんの使い方だったし、ユニット曲の中では『ネビュラ』『自由の鳥』『ルクレシア』の鳥つながり3曲の振付が天才的すぎたのでみんなに見てほしい。『自由の鳥』のアウトロで4人が向き合い円になって踊るところとか、『ルクレシア』Cメロ♪あの山を越えて行け 自由の鳥よ♪でソロダンスをする昂輝くんを送り出す涼太くんのうっとりしたような表情と手のしなやかさとか、そのほかにも、いっぱい。

貢二郎さんって、同じ語に対して同じフリを当てることが多い(気がする)ので、剣介くんソロ『プラネタリア』♪Lyra 焦がれて 奏でた夢が♪のフリと、涼太くんソロ『甘き風のプリムラ』♪穏やかに続く川のほとりで♪のダンスがどちらも指揮するような軽やかなフリだったの、最高で最高で最高だったね……!
ソロ曲って衛さんからメンバーへのラブレターというか、こうであってね、という祝福だったり、こう見えてるよ、っていうファンレターだったりするな、と考えていたので、ソロ曲のこの部分に指揮するような、音楽そのものみたいなフリが当てられるの、すっごいイイ!と思った。衛さんにとっては、それぞれの部分が彼らふたりに流れる音楽の象徴だったりするんでしょうか。どうなんだろ。

剣介くんソロはね、ダンサーさん4人と剣介くんが5人で協力して、明るく、楽しく、賑やかにパフォーマンスしてくれて、見ていて楽しくなれるステージだった。ダンサーさんがダイヤ型を作ったり、5人で橋を架けたり、客席を「見てるよ!」って覗き込んでくれたり。2017A.L.Pの山谷さんがやってくれたフリもちょっとあって、声優さんが演じても俳優さんが演じても、剣介くんはブレないなあって安心感がありました。

涼太くんソロは三谷さんがインタビューで言っているように、バレエ風のしなやかで強靭なダンスを見せてくれました。楽しくってしょうがないような、生き生きとした強さを感じるダンスだった。中盤で段差から段差へ軽やかに飛ぶところとか、リズムに合わせた4連ピルエットとか、どんどん伸びを増していく指先の動きとか。桜庭涼太くんに踊ってほしいダンスが、そのままステージ上で展開されていて。こんなうれしいことはないよ。すてきだった。

あとは、昂輝くんソロ『リーラの調べ』では、♪争いに暮れた いばらの道 始まりを前に 胸は弾む♪からがすっごく好きでした。中段に立つ、言ってみればただそれだけの姿なんですけど、頭のてっぺんからつま先、指の先までぴんと神経を張りめぐらせて、凛としていてかっこよくって、美しかった。あのね、塩澤さんが回を重ねるごとにどんどん昂輝くんになっていったの。観客の目の慣れ、もあるとは思うんだけど、3公演目くらいから、「おや?」って思った。明らかにこれまでとは佇まいが違った。一緒に入った友だちも同じことを言っていたから、ここが、とはっきりは言えないけど、変化があったことはたしか。なんだかふしぎな体験だったなー。舞台って、ほんとナマモノだな、面白いな。

衛さんソロの『リレイズ-Reraise-』に関しては、2017のA.L.Pでの寺島惇太さんリスペクトがものすごく感じられました。過去の記事(9人のALIVEをあきらめたくない日記―A.L.P 2017 SUMMERに参加して - ちとせももとせ)でも書いたのですけど、この時の寺島さんのパフォが、ちょっと……あんまりにも壮絶で鬼気迫る様子だったので……。なんで円盤に収録されてるのは夜の部なんだろう……もったいなさすぎる……。だから、え、この曲で客席降りするの!?って言う戸惑いはあったけれど、まあ、うん……ここはよくわかんない……。曲そのものがあまりにも強いので、そのパワーに岩佐さんが負けなくてよかったです。

 

 

イブステが終わってから、2年前の三谷さんのインタビュー記事を拝読しました。

domonet.jp

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「声優さんのエンジンを積むしかない」という言葉に表れているように、役作りに対する姿勢とか感心することばかりの記事だったのだけれど、中でも『時にかなってうつくしい』という聖書から引用された句。恥ずかしながら、私はこの句を三谷怜央さんのインタビューを読んで初めて知りました。
ねえ、すごくきれいなことばだね。
私は神さまなんていないと思うし、座右の銘だって『なんとかする』という、負けず嫌いのど根性タイプなので聖書に親しみなんてこれっぽっちもないのですけど。それでも、三谷さんが好きだと言うこの言葉は、記事が配信されて2年後に、私の心に落ちてきました。
俳優さんが3次元化してくれてようやく見える部分もたくさんあって、そういう、キャラクターの360°っていうのかな、知らなかった彼らにやっと会えたね、ってなんだかすごくすごく、待ち遠しかった気がしてきてる。……さんざんこわいこわい言ってたのに、ほんと調子いいなあって自分でも思うのですが。笑

何事にも巡り合わせはあって、原作のおたくとしては、今回のロゴの話なんて、めちゃくちゃユニットの根幹の部分だな!?って思ったし、なんでそんな大事なお守りであり、衛さんの人生そのものであるフレーズがCDによって在ったりなかったりするのかマジで理解できないし、なんならこれを原作ドラマでやってもらえたらいちばんハッピーだったよ! ……と思わないでもない。
でも、ツイートに書いたように、俳優さんがいて初めて分かるキャラクターの一面、それこそ上下左右360°って、絶対にあるんだよね。だから、Growthに対してネガりかけていたいまの時季にこうしてステを見られたのは、かえってよかったのかも……と、今は考えています。そういう、いい方向に考えたい。

1stこじらせてる亡霊のみんなにこそ、ステは見てほしいなあ。もし2.5が苦手でなければ、だけど。
ステっていういちばん最新の展開で、彼らの芯のところは変わってないよって明示してもらえて、おかげでずっとぐるぐるしていた私を救いあげてもらえた。こんな私でもまだGrowthをすきって胸を張って言えます。めちゃくちゃ自己中心的な考え方だけど、それがこんなにうれしいとは思わなかった。
世界には私の知らない物事があふれかえっていて、私の知らない一面がたくさんあって。それは私を取り巻く世界だけでなく、私が4年間見つめていたGrowthの面々についても、そう。
私が知らなかった一面、私が知ろうとしなかった一面、私がこれまで(物理的に)見られなかった彼らの姿、どうしても想像が追い付かなかった姿、そういうものを、見せてもらいました。
ああ、私ってものすごく狭い世界に生きていたな、視野がとんでもなく狭くなっていたな……、そんなきもちにさせられた5日間でした。

私がGrowthに出会ってから、私にとっては4回目、彼らには5回目の春です。飽きっぽい私がひとつのジャンル、ユニットを追いかけて5年目を迎えられるとはこれっぽっちも思っていませんでした。
緑眩しく風光るこの時期は植物をそれぞれの名前に持つGrowthにぴったりの季節で、そんな中で2.5次元化という新展開がスタートできたことは、ほんとうによろこばしいことです。
来年春のイブステEp3まで、Growthのキャストのみなさん、Ep2から参加してくれるSOARAのキャストのみなさん、制作のみなさん、お世話になります。よいものを見せていただいたので、できる限りで応援させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

おわり!

*1:一番好きなユニット曲『不死鳥のネビュラ』をフルでステージングされたこと

*2:「話を巻き戻して~!」からの移動、それまでは上手に移動していた衛さんが、この公演以降なぜかずっと下手に来るようになった。今考えると並びが上手に寄ってたから舞台上のバランス調整のためだとは思うんだけど……笑

*3:パラリネの歌詞をもじって、『生まれ変わってもまた会いましょう』とか、『時空を超えて、また会いに来ます』『生まれ変わっても絶対会えるから、それまで浮気しないでください』というようなニュアンスのものばかりだった