Thanks for the chance to see you. スケアステージep.1を見て

S.Q.S SolidS & QUELL on STAGE episode 1『はじまりのとき-Thanks for the chance to see you-』が、無事幕を下ろしました。5/26の昼夜、5/27の大千穐楽を現地で観劇してきましたが、千秋楽の挨拶で日向野さんをはじめとするキャストさんが口々に言っていたように、だれひとり怪我なく千秋楽を迎えてくれて良かったです。ステージにかかわったすべての皆さん、全15公演おつかれさまでした。


失礼を承知で、掛け値なしの本音を言っていいですか?
ぶっちゃけ、ビジュアルを見た時点ではこんなにいいと思っていませんでしたし、ここまであーもー好き! ってテンションが上がるとは思っていませんでした。
脚本と構成と、それからキャストのみなさんの研究熱心さに感服しました。すごくすごい。
私が三年間追っていた声だけの彼らが、SolidSQUELLがステージにいた。
原作CDとアニメとステージの時空がぜんぶつながるように、ぶつ切りにされていた隙間を埋めるようにセリフがあってシーンが配置されていて、すごくすごかったです(語彙力)。


6/3にニコニコ生放送でスケステが放送されるようなので、気になった方はぜひご覧ください。プロアニvol.6についてきたシリアルのスケステ最速先行締め切りもまさにその6/3なので、ニコニコでスケステを見て気になったひとはその勢いで最速先行に申し込むといいと思います! はい、宣伝終わり!


以下はいつものようにだらだらと長い、個人的な感想です。
記憶力に自信がないのでニュアンスで書いているところも多々ありますが、ここは私のブログなので好き勝手に書きます。間違っていたらごめんね。例のごとくネタバレありです。




さわりにも書いたのですが、初見でRED回を見て、まず脚本と構成の巧みさにとっても感心しました。
『Episode1 はじまりのとき-Thanks for the chance to see you.-』と銘打たれた今回の舞台は、CD1巻で描かれていた2ユニットそれぞれの出会いと、アニメで描かれていた2017年末の武道館ライブ、そこからRE:STARTシリーズがリリース開始した現在・2018年春へとつながる一連の時間の流れが整理されていて、わかりやすくて、原作から追っているファンもアニメからのファンも俳優さんのファンも、みんながそれぞれ楽しめるように工夫されているなあって思いました。まあ、だからこそ原作ファンには物足りない部分・ちょっとした不満点もあるかもしれないけれど……(ex. 個人的にキャラが原作1巻に近く、2018年の彼らにはそぐわない言動かも、と感じた部分も多少はあったので)。けれど、その代わりと言ってはなんだけれど、スケステならではのキャラの掘り下げもあったように感じます。


志季がほかの3人のまえで本音を言ったのって今回が初めてではないでしょうか。いままで一対一でぽろっと本心をもらすことはあっても、ああして3人を前にしてじっくり話すのは、すくなくとも私が憶えている限りではなかった気がします。だからこそ翼は「び…っくりしたー」だし、里津花は「感激しちゃった」だし、大ちゃんは「寝ぼけてガードゆるゆるだな……」って、それぞれ"らしい"反応を見せてくれてうれしかった。
……ただ、やっぱりここは舞台が苦手な原作ファンがいることを考えるとなかなか歯噛みしちゃいますね……。キャラ同士の関係性・ユニットの解釈にわりとがっつりと関わる部分だと思ったので、舞台を見ない層のファンにとっては酷かもしれない。これを舞台でやるの!? 原作CDではやらないの!? とびっくりした部分が私にもすくなからずあるので。
でも、そこはツキプロがずーっと言っているように好きなところを好きなように、なんでしょうね。折り合いをつけるのはなかなか難しい。私みたいに『好きなもののことはなんだって知りたい! 私が知らない〇〇があることがイヤ!!!』というオタクも多いようですから、みんな見に来たかな、問題ないのかな?


良かったところ、個人的な思い入れがあるところ、こまごまとかなりの数あるのですが、まず私がだいだいだ~い好きなシーンの話を3つほどします!


ひとつめ。
志季と翼がふたりで取材現場をはしごする場面。
RED・BLUE共通脚本のシーンなんですが、そこでのいつもの「ダーリン」「ハニー」のやりとりがとてもとてもよくて。
ファンが面白がってダリハニ芸って言うくらい、志季と翼の「ダーリン」「なんだハニー」のやりとりって耳になじみがあるのですが、スケステではこのやりとりがこの一か所にしかないんですよ(私の聞き漏らしや記憶違いでなければ)。だからこそふたりの絆の強さがにじんでいて、志季が劇中冒頭で「おかげさまで先日3周年を迎えました」と言うとおり、これまでの積み重ねがあるSolidSの志季と翼なんだなと思えました。
志季が「ハニー」って言った後に翼に向かって手を差し出すんですよ。その手を翼が不敵な笑顔で取ったかと思えば、志季もふ、と笑って。そのまま、翼を前に進ませるように、紙飛行機を飛ばすときみたいに、その手を前に持っていく。その勢いで、見えないなにかに背を押されたようにして、翼は一歩目を軽くジャンプするように颯爽と歩き出す、志季は歩いていく翼の背中を数秒見つめてから後を追いかけて歩いていく、っていう。……いや、これほんとことばにしたらめちゃくちゃ野暮だし恥ずかしいんですけど~~~~~~。
それでも私はこのシーンがすーーーーごく好きです。好きだから言いたくなっちゃったんです。
どうして、って、このシーンで志季にとっての翼が見える気がして。
鳥って、向かい風の時のほうが飛びやすいそうですね。向かい風をその羽に受けて、揚力を生んで、飛び続けるから。
志季にとっての翼はだいじなカナリアで、センターで、羽で、夢の男。翼もそれをわかっているから、志季の前では軽やかに、鮮やかに、けれどぎらぎらと目を逸らせない金色として振舞うのかも、と。すくなくとも私はそう思います。この関係性めっちゃエモくないですか……??

ふたつめ。
BLUE回での私の好きなシーンは、これはもう雨の晩に柊羽の帰りを待つ双子の会話シーン一択です。北海道で柊羽に拾われたときのことを思い出した壱流が「もしあのとき柊羽に会わなかったら」と不安をぽろりと口にするあのシーン。
久我さんちの双子、スケステではちょっと幼すぎないかな? と思うこともなくはないのですが、このシーンは同じ双子でも壱星と壱流が確実にちがう人間であることが如実にわかって、考え方の違いがくっきり浮き上がって、めちゃめちゃに良くて、私は泣いてしまいました。壱流は翼や大にもSQの末っ子という認識をされているのですけれど、まさにその末っ子特有の甘ったれなところ、周りからの助力や自分の立ち位置をなんだかんだ自覚している聡いところ、その立ち位置を自覚してなお不意にゆらゆらと足元が不安になる感覚っていうのが、もうわかりすぎるくらいに伝わってきて、わかって。けれど、そうして不安がる壱流をぎゅっと抱きしめて、「もしもなんてない。だって、俺たちは柊羽に会って、いまこうして4人でQUELLをやってる」と壱流に言い聞かせる壱星の現状の認識に胸打たれました。
どっちが兄で弟かなんてどうでもいいじゃん、とどこかで(SSかな?)壱流は言っていたと思うのですが、それでもやっぱり君は弟なんだよ、末っ子なんだよ、って抱きしめてあげたかった。まあほんとうに壱流の兄である壱星がそこはきちんと押さえてくれるんですけど。
このシーンを踏まえたRE:START宣言と、そこからライブパートの『Because you are』と『HIKARI』で私はぼろぼろに泣くしかなかった。はあ~……QUELL担の感想が読みたい。
この会話シーンのセリフをのちの壱星のRE:START宣言でちょこちょこと拾ってくれいるんですけど、そこまでの脚本の回収、楽曲のピースとしての劇中セリフの使い方という意味では、このシーンの光り方が飛び抜けていると私は思います。
スケステはいわゆる1stシリーズのリリース後、空白の時間を埋める脚本の作り方になっています。ともすれば後出しと言えなくもないのだけれど、そのおかげで、私たちがこれまで知りえなかった情報の開示ができるんですよね。それは例えばCDで描き切れなかった個々人の考え方、対人の距離感、その当時どう思っていたかの述懐、というかたちで私たちの前に示された。だからこそ、スケステ公式さんがBLUE千秋楽後にツイートしていたように、楽曲に対する捉え方も変わるのだと思います。
あのとき、柊羽がどんなことを思ってあの歌詞を書いたのか。
その歌詞を、3人がどんなふうに飲み込んで歌っているか。
それこそ答えはないし、この後出しともいえる手法に対する是非についての考え方もひとそれぞれだと思います。壱星が言ったように、「感性はひとによって違う」のだから。その中でやっぱり彼が言っていたように「好きになってもらえたらうれしい」しそれでいいんじゃないかなって。
壱星に対して、君はとっても大人だねって背中ポンポンしてあげたかった。英知~~~双子の背中ポンポンしてあげて~~~~!!!!!!!!!

みっつめ。
こちらもたしか共通シーンの一つだったと思うのですが、志季と大の会話、そしてそこからの英知・壱流・翼・大の稽古場シーン。
志季は大ちゃんのことを犬と思っている。確実に。まあここまでは本家SSでも通常運転なのでいいのですが、肝要なのはこのあとです。
大ちゃんの頭をもふもふ撫でた後「癒された、寝る」と自室に向かう志季に向かって「あんたは……充実してるか?」とそれまでの会話を反芻するように問いかける大ちゃん。問いかけておいて、答えが返ってくるとは思っていないかのようにふと下を向いてしまうし、実際、志季もなにも答えずに部屋を出ようとするんですが。そこでおもむろに大ちゃんを振り返った志季が「充実してるよ」とことばにするんですよ。
明確なアンサーが、あの志季から、返ってきた。
……えっすごくない!? すごくない!?!?!? 大ちゃんやったね、やったね大ちゃん!!! と、見ているこちらまで拳を握りました。
どんだけよとお思いかもしれませんが、篁志季という男は長年付き合いのある里津花や柊羽をして「口数の少ない男」と言わしめる男ですよ……。なんなら、里津花からの評価は「たしかに志季はことばが足りないように見える、けれど、思っていないことは言わないんだよ。その朴訥さに救われている人は多いんじゃないかな」という男なんですよ!!!!!! 里津花の言うとおりで、大ちゃんはここで救われたと言うのは大げさだけれど、報われたとは思ったんじゃないかな。
実際、大ちゃんはこの志季のことばを受けてにやにやするのが止められないようで……志季のことばを噛みしめるように目元を綻ばせながらタオルで口元を隠している間に、彼の後ろでセットの転換が行われ、続く稽古場のシーンに移るのです。
ここからは英知・壱流・翼・大が四人でRE:START宣言に向けてそれぞれの頑張る理由、それぞれのRE:STARTについて思いを語り合うという、まあじんわり心があたたかくなるシーンです。
英知が当たり前のことを当たり前にやるという姿勢は原作CDの頃から変わらない彼の美徳だし、壱流は武道館ライブのMCで言っていたように「俺は頑張るしかない・それしかない」という自身の立ち位置をはっきり認識しているし、大ちゃんも英知と同じく何事にも真摯に向き合う、という彼らそれぞれの考えるアイドル、あるいはユニットへの貢献について語ってくれていてよかった。
……あれ、じゃあ、翼は? となるんですが、私はこのシーン、この翼のことばを思い出すだけで涙が出そうになります。
翼がかっこよくてかっこよすぎて死にそうになったので気になるひとはこんどのニコニコでも円盤でも見て欲しい。奥井翼、だいすき、君は最高の男だよ。ほんとうにほんとうに、君は心底かっこいいよ。そして瀬戸さん、奥井翼を最高にかっこよく、クールに、熱く、きらきらに演じてくれてありがとう……。


……ここまでネタバレしておいて挙句の最後はぼやっと消化不良といった感が否めないのですが、あれは奥井翼のファンにはぜひ自分の目で見てほしいので……。稽古場のシーンの奥井翼とそこからの奥井翼のRE:START宣言は、ほんとうに自分の目で見て、耳で聞いてほしい。


そういえば、RED回を2回見たおかげか、千秋楽を志季推しの友人と見たおかげか、SolidSについて考える時間がついつい多くなっているのですけれど。
連番した友人とはこれまでもよく話していたのですが、SolidSってあくまでも志季による志季のためのユニットだったんです。これまでの彼らが通じ合っていなかったとか、分かり合っていなかったか、そういうことじゃないですよ。SolidSほど互いの意思を確認して、ぶつかり合って、和解してそうやって進んできたユニットは後続にはいないので。1stシリーズでの彼らの喧嘩というか、意思の探り合い・未知との遭遇感はすごいから。
けれどRE:STARTからは、スケステを通った彼らは、正真正銘SolidSのためのSolidSになるのかもしれないとふと思いました。すくなくとも今回の話で志季がようやく本音を3人にきちんとことばとして伝え、それを3人も真摯に受け止めたので。
『志季のSolidS』から、『4人のSolidS』へ、RE:STARTのシリーズ名や、ライブ前の翼が「初心に戻って懐かしい曲たち」と言うとおり、新しいフィールドへ歩き出す第一歩だったのかもなーと思い、そう思ったからこそ、時間軸を繫いでいく脚本のうまさにうなったんだなあって。
エピソード名の『はじまりのとき-Thanks for the chance to see you-』もね、いろんな意味を込めてつけられたのだなあと思いました。SolidSQUELLの出会い、私たちとSQの出会い、スケステと私たちの出会い、キャストさんたちとSQの出会い、いろいろ、ほんとうにいろいろと。


この2年、いくつかのアイドルグループやアイドルコンテンツを応援したり、現場に足を運んだりしています。数は追っていないし、とてもミーハーな追いかけ方なのですが。そんな広く浅く、というオタク活動を通じて、私が応援したいなって思うアイドルは「夢を見られる・見せてくれる」ひとたちだなあって思うようになりました。
たとえばひたむきにがんばっている姿を見てこの子たちを大きな会場に連れて行ってあげたい・連れて行ってほしい、と思うこととか、ライブが夢みたいに楽しいこととか、ふとした瞬間にこの子は将来どんな夢をつかむんだろうって成長途中の楽しさを見出すこととか。
とかく、「夢」はアイドルという存在からは切っても切り離せないキーワードであるのだなと、毎日のように感じる日々です。


そんな中で、「夢の中の男であり続ける」、この奥井翼のことばが私にとってどれだけうれしく、まぶしかったことか。
SolidSの奥井翼は、この宣言をするにあたって『SolidSの奥井翼』を自分の中で再度咀嚼して、再定義して、そのうえでファンである私、そしてメンバー兼プロデューサーである篁志季の夢の男であり続ける覚悟を改めて固めてくれたのだと思うと、うれしくてうれしくて。
そして、そうした意味で、SQシリーズにおける私やみんなの夢、SQのセンターはやはりSolidSの奥井翼そのひとなんじゃないかなと今回のスケステを観劇して思いました。ごめんね、私が奥井翼をひいきしているだけかもしれないけれど、心底そう思ったんです。


2年前、2016年の4/10、私は中野サンプラザSOARAGrowthSolidS(この日のライブ後告知でQUELLが発表された)のライブを観ました。キャラクターと声優さんの姿かたちはぜんぜん違うのだけれど、それでも声が本物で、CDの収録を重ねて測ってきた距離感やキャラとの付き合いかたが見えて、すごくすごく泣いたことを憶えています。
同じく2年前、私はツキステ。の第1幕を星陵会館で観劇しました。学校の講堂のようなちいさなちいさなホールで、ツキウタ。のアイドルたちが初めてアイドルとして私たちファンの前でパフォーマンスする姿を見て、なんて愛しいフィクションなんだろうって感激して、幸せいっぱいのきもちで会場を後にしました。


先週末、よみうり大手町ホールで見たSolidSQUELLは、そういう感動というか、夢をひとところに集めた、まさに夢の具現化だったなと思います。
2年前、ツキステ。1幕を見たときにも心底思ったのだけれど、ツキプロのみんなって私にとってはほんとうに心の底から愛おしいフィクションなのです。いろいろ思うところがないわけではないのだけれど、それでもやっぱり大好きだなあとことあるごとに噛みしめて、私はいったいいつまでこの夢を見続けられるだろうかとすこし恐れてもいます。
キャストさんやダンスにほとんどふれていないけれど、キャストさん個々に対する感想、感謝、ダンスでのぴぎゃりポイントはきっとみなさんとまったくおなじでしょうから、ひとこと、ありがとう、とだけ。


Ep.2も最速先行で申し込んできたので、また彼らがアイドルをしている姿が見られるといいなあと言うところで、感想は終わりにしようかと。長々お付き合いくださりありがとうございました。